ガーデン

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店の カウンターで 店に置く ガーデンクオーツながめる   久しぶりに眺める

しばらく そこに気を向けてなかった  取引していた 相手が自殺して以来

もう そこに深く入る事を閉じて  今もそうかな  8年近く待ち合わせた

ブローカの集まる所に 2年ぶりに 彼の定位置には 今も誰もいなかった  

皆が私を見る  顔見知りのみんなが でも 誰も話しかけてはこない  

みんな顔見知り よく冗談も交わしていた

今だ 何が有ったのかわからない  聞く気もしない  怖い 

自分が 何らかの原因にしてしまったのでは なんて 頭にいつもまとわりつく

私自身 工場の閉鎖巡り 余裕なく 逃げ込むかのように 終いの住いに気を向け

彼の事に気を向けられてなかった  でも  それぞれに持つ事情違うんだ

私は この石に芸術をみいだし 陶酔した 無作為な芸術  そこにでき得るだけの財を

ほぼ 彼の扱う すべての このクオーツを自分で分別濾過して 許す限り 収集した

膨大な数に でも それも永遠というわけには  事業の縮小と共に 限をつけなくては

もう この石の資源も枯渇して 今までのように 手に入らぬ事も知っていたが

彼が 自殺した時 私は日本に居た  家内 私に伝える事 悶絶していた

私に 余裕がない事 十二分に判っていて でも半月悩んで 私に 泣きながら私に

そう 家内も一緒に 通いこんで すっかり ファミリー状態だった  だからよけいに

大好きな この水晶のアートが ちょっと切ない物に この石の本だして 気もちの整理して  

息子に受け渡そう 親子 二代扱うストック  ちょっと入り込み過ぎちゃったかな