終いの住まい

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終いの住まいの 合間に よく 布良浜へ  煮詰まったり うまくいかない時なんか

海もながめるし  空もながめる  そして浜や 岩場に 打ち上げられてる 色々なモノに

思いを馳せる  貝殻 流木 陶片 瓶  角のとれたガラス片   どこから 来たのかな

何かに 使えるかな  時を忘れ  流木の棒 片手に 探し物 拾い物

息子が 小学生のころ こんな事させて よく遊んだよな  息子 ペナンの海で 陶片見つけて  

父ちゃん これ何だ!    これはなー  と言いながら 私の作り話が はじまる

息子 寝る前に 私の 日本作り話し 大好きで よくねだられ 即興で作り話していました

つじつま 合わなくなったりして  息子も うその話しと うすうすわかって 楽しんでました

この 陶片の作りばなし    これはな 遠く 中国 昔は シナ と言っていた

今は なんだ    チャイナ!   そう チャイナだな  息子5年生

昔 船に お皿とか お茶碗を 乗せ 他の国に売りに行ってたんだ  その途中 海が荒れ

せっかくの 商品が 割れたりしたんだ  その割れてしまったお茶碗を  アーいやー と言いながら

ヒステリー おこし  海に 放り込んだ  そして永い 時がたち  この浜にたどり着いたのだ

だから  これを  ヒステリック チャイナ て 呼ぶんだ    おーおー 息子 納得

ココにも ヒステリック チャイナ  ここにも  と言いながら  浜辺で遊ぶ 息子

たぶん  今でも 息子   この陶片   ヒステリック チャイナだと 思いこんでる  

まっ 支障のない ウソだから   息子 赦せ    そんな 子育ての頃の 思い出

そんな事 思い浮かべながら 過ごす  終いの住まい  初秋の ながい夜 

チュウハイ  一本飲んで  ほろ酔い   歳とると 思い出あふれ 

悲しくもないのに  涙もろくなる       歳とった 証しだな