月あかり の照明

照明1
照明2

店の ショーウィンドウの天井にかかる メインの照明 15年前独立したての頃

ひとめ惚れ タイの伊勢丹に納品のたび 近くのこの照明置いてある店へ 眺めに

いくらですか  その頃の私にはとても買えない プルメリアの葉のブラスモチーフに 

灯ると まるで月のよう みどり斑のある乳白のアンティークガラス 憧れの思いの日々

そして しばらくするとその店 閉店 これでアキラメつくか そんな事に気とられてる場合でない

本当に 自転車操業 引き締めないと 独立前の自分ならポケットマネーで買える程の事

独立の 重さ厳しさ シンシンと心と身に浸みる ひと昔前の私達 でも その気持ちを経験出来て

今は 良かったなと思う 色んな事を見つめ直す いい機会 いい時期 何も困らず 我慢せず

過ごしてきたなら 今の自分達 おそらく 満足も幸福感も得られない 人間だっただろうと思う


それから半年 家内がトンロー通りに 前よく見に行ってたあの店みたいな所見つけたよ

翌日 見に行くと まぎれもない あの照明が薄暗い店の奥に 月のように灯っていました

また 再会できた シゲシゲ眺めていると 店の人も覚えてくれていたらしく 縁が有るみたいだね

家内が 前よりどうにかなるから ネッ連れて帰ろ お店の人も そんなに好きなら00バーツでいいよ

うれしかった 物で涙出そうになるのって 働きだしてはじめてかもしれない ありがとう かーちゃん

  それから15年の間   今宵も   月あかり   その頃を忘れるなの   月あかり                            

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